「うちの子は学習障害があるけど、高校に進学できるの?」「通信制高校なら学習障害があっても大丈夫?」
中学卒業を控えたお子さまの進路を考えるとき、こうした疑問や不安を抱える保護者の方は少なくありません。
学習障害(LD)は、知的な遅れはないものの、読む・書く・計算するといった特定の学習活動に著しい困難を抱える障害です。全日制の高校では、一斉授業のスピードについていけず、学習面のつまずきが積み重なってしまうケースも見られます
このページでは、学習障害のあるお子さまの高校進学に向けて知っておきたい基礎知識と、通信制高校が選択肢として注目される理由をわかりやすく解説します。
学習障害(LD:Learning Disabilities)とは、全般的な知的発達に遅れはないにもかかわらず、「読み書き」や「計算」など、特定の学習分野など、一部の学習分野において著しい困難が生じる状態のことです。2013年に改訂されたDSM-5(米国精神医学会による診断基準)では、「限局性学習症(SLD:Specific Learning Disorder)」という名称が用いられています。
学習障害には主に以下の3種類があります。
学習障害は「努力不足」や「怠け」ではなく、脳の情報処理の特性によるものです。適切な支援と環境さえあれば、お子さまの力を十分に発揮させることができます。
また、ADHDや自閉スペクトラム症(ASD)と学習障害を併存しているケースもあり、複合的な特性を持つ場合には、より個別に配慮された学習環境が求められます。
高校は義務教育ではないため、中学校と比べると個別の支援体制に大きな差があります。学習障害のある生徒が全日制高校に進学した場合、以下のような困難を抱えやすい傾向があります。
① 一斉授業のスピードについていけない
全日制高校では、クラス全員が同じペースで授業を受ける形式が基本です。読み書きや計算に時間がかかる学習障害の特性があると、授業の理解が追いつかず、学習の遅れが積み重なりやすくなります。
② 板書・ノートテイクへの対応が難しい
書字に困難がある場合、先生が黒板に書いた内容をノートに書き写す作業だけで大きなエネルギーを消耗してしまいます。授業内容を理解する前に、ノートを取るだけで疲弊してしまうことも少なくありません。
③ 通級指導を受けられる学校が少ない
小中学校では通級指導教室での支援が比較的整っていますが、高校では通級による指導を実施している学校がまだ多くないのが現状です。支援を必要としていても、十分な通級指導を受けられていないケースがあると指摘されています
④ 出席日数・成績不振による留年リスク
義務教育と異なり、高校では出席日数や成績が基準を下回ると留年になる可能性があります。学習面のつまずきが不登校につながり、留年・中退になってしまうケースも見られます。
学習障害のあるお子さまが高校進学を考えるとき、全日制高校だけが選択肢ではありません。特性やサポートの必要度に応じて、以下のような進学先を検討することが大切です。
学力試験や内申点に問題がなければ、全日制高校への進学も選択肢のひとつです。ただし、発達障害に応じた通級指導を実施している学校は限られており、事前に支援体制を確認することが必要です。
また、私立高校の中には、発達障害・学習障害の受け入れに積極的な学校もあります。受験方式も「英・数・国の3教科のみ」「傾斜配点」など多様であるため、内申点に不安がある場合には私立高校の方が合いやすいケースもあります。
夜間を中心に授業が行われる定時制高校は、昼間に別の活動を持ちながら通う生徒が多く、個々の状況に応じた柔軟な対応をしている学校も見られます。ただし、学習支援の体制は学校によって大きく異なるため、見学や相談を通じて確認することが大切です。
学習障害のあるお子さまにとって、通信制高校はおすすめの選択肢のひとつです。自分のペースで学習を進められること、毎日の通学が必要ないこと、個別対応のサポートが受けやすいことなど、学習障害の特性にフィットする特徴が多くあります。次のセクションで詳しく解説します。
技能連携校は、専門的な技能の学習と通信制高校の単位を連携させる制度を活用した学校で、実技・体験型の学習が中心になります。「読み書きは苦手でも、手を動かすことなら得意」というお子さまには、特性を活かして学べる環境となる場合があります。
通信制高校は、レポート課題の提出とスクーリング(登校)への参加が学習の中心です。授業のスピードに合わせる必要がないため、読み書きに時間がかかる学習障害のお子さまも、自分の理解度に合わせてじっくり取り組むことができます。わからないところを何度でも繰り返して確認できる点も大きなメリットです。
学習のつまずきが積み重なることで「学校に行くのが怖い」「授業についていけなくて恥ずかしい」という気持ちが生まれ、不登校につながるケースがあります。通信制高校では毎日の登校が必要なく、スクーリングは月数回〜年数回のペースの学校も多いため、心身への負担を抑えながら高卒資格を目指すことができます。
通信制高校の中には、発達障害や学習障害のあるお子さまの受け入れに特化した支援体制を整えている学校もあります。専門のカウンセラーや支援担当者が常駐していたり、特性に応じた学習計画を立ててもらえたりする学校では、より安心して学校生活を送ることができます。
学習障害のあるお子さまは、読み書き・計算が苦手な一方で、特定の分野への高い興味・関心や集中力を持っているケースが少なくありません。通信制高校には、音楽・デザイン・IT・調理・スポーツなど多様な専門コースを設けている学校もあり、お子さまの「好き」「得意」を軸に高校生活を設計することができます。
学習障害のあるお子さまに合った通信制高校を選ぶ際には、以下のポイントを確認しておくことをおすすめします。
学習障害があっても、高校進学の選択肢は十分にあります。大切なのは「どの形式の学校か」ではなく、「そのお子さまの特性に合ったサポートが受けられるか」です。
全日制高校では難しかった学習のつまずきが、通信制高校や技能連携校という環境で解消されるケースもあります。まずは複数の学校の情報収集や見学・相談会への参加から始めてみてください。
埼玉県内で学習障害・発達障害への理解があり、個別サポートに力を入れている通信制高校・技能連携校については、参考として、以下のページもご確認ください。
サポート体制に特色を持つ
埼玉県の通信制高校・技能連携校3選
お子さん一人ひとりの個性に合わせた学校生活が送れる通信制高校が注目されている今、埼玉県で不登校経験者へのサポートやカウンセリングを行っており、 「障がい」「就職」「進学」に対するサポートが手厚い通信制高校・技能連携校を3校紹介します。埼玉県の通信制高校を検討している方は、お子さんにあった特色を持つ高校探しの参考にしてください。
※技能連携校とは、技能連携制度を利用して専門的な分野を学ぶことができる学校です。通信制高校と同時に入学し、技能連携校で取得した単位は、通信制高校の卒業に必要とされる単位の半分まで認められます。

引用元:興学社高等学院 新越谷公式HP
(https://kohgakusha-koshigaya.com/)
| 所在地 | 埼玉県越谷市南越谷1-15-1 | アクセス | 新越谷駅・南越谷駅から徒歩5分 |
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引用元:清和学園高等学校HP
(http://www.sgh.ed.jp/)
| 所在地 | 埼玉県入間郡越生町上野東1-3-2 | アクセス | JR八高線 越生駅から 徒歩15分 東武越生線 武州唐沢駅から 徒歩3分 |
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引用元:一ツ葉高等学校HP
(https://www.hitotsuba.ed.jp/)
| 所在地 | 埼玉県さいたま市大宮区宮町1-24 GSビル6階 | アクセス | JR大宮駅東口(北)から徒歩3分 |
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※2022年11月21日調査時点
参照元:清和学園高等学校公式HP(http://www.sgh.ed.jp/subject/car/)
※選定基準※
2022年11月21日にGoogle検索で「埼玉 通信制高校」と検索し、10ページ以内に表示された学校の中から高卒資格が取得できる通信制高校・技能連携校を30校ピックアップ。その中でも、不登校経験者へのサポートやカウンセリングを行っており、尚且つ「障がい」「就職」「進学」に対するサポートが手厚い通信制高校・技能連携校を選出しています。
障がいを持つ方へのサポートが手厚い「興学社高等学院越谷校」...30校のうち唯一、入学に際して「療育手帳の有無を問わない」と公式HPに記載がある学校。
就職を目指す方へのサポートが手厚い「清和学園高等学校」...通信制高校で全国唯一の自動車科・調理科を設置しており、三級自動車整備士国家資格の受験資格・調理師免許を取得できる学校。
進学を目指す方へのサポートが手厚い「一ツ葉高等学校」...30校の中で唯一、一人ひとりの第一志望に合わせた、最短カリキュラムを作成してくれる学校。